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ベートーヴェン 各交響曲の解説
交響曲第1番ハ長調 作品21(1800年作曲)演奏時間27:22
1、第1楽章:0:08:56
アダージョ・モルト(落ち着いて きわめてゆっくりと)ーアレグロ・コン・ブリオ
(生き生きと快速に)
2、第2楽章 : 0:09:06
アンダンテ・カンタービレ・コン・モート(歩くような速さで 歌うように 動きをもって)
3、第3楽章:0:03:24
メヌエット(メヌエット) アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ(きわめて快速に 生き生きと)
4、第4楽章:0:05:56
アダージョ(ゆっくりと)−アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ(きわめて快速に 生き生きと)
先輩作曲家ハイドンの様式を使いながらも若きベートーヴェンの、快速に走るような、跳ねるような青春のほとばしりを感じることができる傑作。
交響曲第2番ニ長調 作品36(1803年作曲)演奏時間34:40
5、第1楽章 0:12:55
アダージョ・モルト(きわめて 落ち着いてゆっくり)ーアレグロ・コン・ブリオ
(快速に 輝きをもって)
6、第2楽章 II Larghetto 0:11:52
ラルゲット(【ラルゴ・幅広くゆるやかに】より速く)
7、第3楽章 0:03:32
スケルツォ(三拍子の急速で快活な音楽)—アレグロ (快速に)
8、第4楽章 0:06:21
アレグロ・モルト(きわめて快速に)
序奏の部分から風格があり、走り出したらもう止まらなくなるような疾走感。各弦楽器の織りなす綾、
まさに堂々たる交響曲らしい交響曲。特に、終楽章のきっちりとした端正な構築度が素晴らしい。
隠れた名曲。
交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』演奏時間55:58
9、第1楽章 0:19:11
アレグロ・コン・ブリオ(快速に 生き生きと)
10、第2楽章 葬送行進曲 0:18:06
アダージョ・アッサイ(落ち着いて 非常にゆっくり)
11、第3楽章 0:05:50
スケルツォ アレグロ・ヴィヴァーチェ(快速に 非常に速く)
12、第4楽章 0:12:51
フィナーレ アレグロ・モルト(非常に快速に)
「エロイカ(英雄)」と呼ばれる、演奏時間が約56分と、長大で大規模な交響曲で、第9番が登場するまで、ベートーヴェンの交響曲中最大の規模を誇った。勇壮な第1楽章はわずか3つの和音が2回連打される序奏の後、すぐに提示部・提示部・展開部(本題にあたる部分)と突入していき、音楽が雄弁に英雄物語を語り躍動する。第2楽章は「葬送行進曲」と呼ばれ、著名人の葬式などで今でも演奏されることが多い。第3楽章は金管楽器の3本独奏ホルンによるファンファーレが聴こえ、スピード感に胸が高鳴る。第4楽章はいろいろな楽器が登場しては交歓するという緊張感の連続で、激しさを見せ一気に駆け抜けていく。
交響曲第4番変ロ長調 作品60(1806年作曲)演奏時間35:59
13、第1楽章 0:12:07
アダージョ(落ち着いてゆっくりと )ーアレグロ・ヴィヴァーチェ(快速に 生き生きと)
14、第2楽章 0:10:49
アダージョ(落ち着いてゆっくりと )
15、第3楽章 0:06:07
アレグロ・ヴィヴァーチェ(快速に 生き生きと)
16、第4楽章 0:06:56
アレグロ・マ・ノン・トロッポ(快速に ただ多すぎないように)
柔らかな優しさに満ちている。作曲家のシューマン(1810-56年)は「北欧神話の巨人(交響曲第3番と第5番)との間にはさまれたギリシャの乙女のようだ」とこの曲を評し、作曲家のベルリオーズ(1803-69年)は、「生き生きとして、きびきびと陽気でこの上ない優しさをもっている」と評した。第2楽章のクラリネットのソロなどがその典型。第4楽章は、一気呵成に突き進む、能動的な姿勢には思わず心が弾む。華々しく展開する楽器群、思わず息をのむほど素晴らしい。
交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』(1804年作曲)演奏時間35:54
17、第1楽章 0:07:57
アレグロ・コン・ブリオ(快速に生き生きと)
18、第2楽章 0:11:12
アンダンテ・コン・モート(歩くような速さで 動きをもって)
19、第3楽章 0:05:40
アレグロ(快速に)
20、 第4楽章 0:11:05
アレグロ(快速に)
作曲直後、弟子だったシラーが、「冒頭は運命の扉をたたくようだ」と言ったことで、日本では『運命』という愛称が付けられるようになった。わずか4つの音符が『運命』の動機となって、次々に展開するさまはとても緊迫感があり迫力満点。単に『運命』という言葉に左右されることなく、きびきびとしたベートーヴェンらしい構築力で聴く者を陶酔に誘う。
交響曲第6番へ長調 Op.68『田園』(1801年作曲)演奏時間44:36
21、第1楽章 「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」0:13:12
アレグロ・マ・ノン・トロッポ(快速に しかしあまりはなはだしくなく)
22、第2楽章 「小川のほとりの情景」0:12:06
アンダンテ・モルト・モッソ(歩くような速さで 非常に動きがあるように)
23、第3楽章 「田舎の人々の楽しい集い」0:05:29
アレグロ(快速に)
24、第4楽章 「雷雨、嵐」0:04:03
アレグロ(快速に)
25、第5楽章 「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち」0:09:46
アレグレット(やや速く)
通常のほかの交響曲のように第4楽章の構成ではなく、本曲は第5楽章まである構成。また各楽章には、それぞれ「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」のように表題がつけられている。聴き手は、この表題をたよりにして、交響曲を聴けばよい仕組みだ。第5番とは打って変わって、柔らかな陽光にあふれる田舎にいるように、おだやかに満ちた音楽だが、第4楽章は一転して、自然が猛威をふるい、嵐がやってくる。しかし、第5楽章で、嵐も過ぎ去った後の、自然風景はまた元の穏やかな風光明媚さを取り戻すといった趣向で、第5番のように激しいラストの第5番とはまったく異なって、静かに優しく穏やかにラストを迎えてくれる。
交響曲第7番イ長調 作品92(1812年作曲)演奏時間42:27
26,第1楽章 0:14:27
ポコ・ソステヌート(少し音の長さを保って)-ヴィヴァーチェ(いきいきと)
27,第2楽章 0:09:36
アレグレット(やや速く)
28,第3楽章 0:09:38
プレスト(急速なテンポで)
29,第4楽章 0:08:46
アレグロ・コン・ブリオ(快速に生き生きと)
二ノ宮知子の音楽コミック『のだめカンタービレ』のテレビドラマ化(2006年)で、第1楽章がテーマ曲に使われてから、あちこちで第1楽章を耳にするようになって久しい。全編が踊り、リズムの音楽といわれるように、華やかにリズムがどんどんと変化をみせるため、現在ではベートーヴェンの中でも、最もよく親しまれる曲になった。
交響曲第8番へ長調 作品93(1812年作曲)演奏時間25:07
30、第1楽章 0:09:36
アレグロ・ヴィヴァーチェ(快速に活発に速く)・エ・コン・ブリオ(生き生きと)
31、第2楽章 0:03:39
アレグレット(やや速く)-スケルツァンド(たわむれるように軽快に)
32、第3楽章 0:04:57
テンポ・ディ・メヌエット(メヌエットのテンポで)
33、第4楽章 0:06:55
アレグロ・ヴィヴァーチェ(快速に 活発に速く)
第5番に対応する第6番のように、第7番に対応する第8番といわれ、第7番とともに初演された。優しさと慈愛に満ちた交響曲である。第3楽章の2:20から始まるトリオの部分には、ベートーヴェンが現在のチェコのカールスバードヘ湯治に行く際、利用した馬車(郵便を運び、また客をのせた)の御者が警笛として鳴らすラッパ信号を模したものといわれている。第2番・第4番・第8番は、ベートーヴェンの偶数交響曲と呼ばれ、音楽通の間では、柔らかさと爽快感を味わう珠玉の作品として大事にされている。
交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』(1824年作曲)演奏時間76:36
34、第1楽章 0:17:39
アレグロ・マ・ノン・トロッポ・ウン・ポコ・マエストーソ(快速に しかしあまりはなはだしくなく 少し荘厳に威風堂々と)
35、第2楽章 0:15:20
モルト・ヴィヴァーチェ(非常に活発に速く)
36、第3楽章 0:17:58
アダージョ・モルト・エ・カンタービレ(歩く速さで 歌うように)
37、第4楽章 0:25:39
プレスト(急速なテンポで)-アレグロ・アッサイ(非常に快速に)-アン・ディ・フロイデ(歓喜に寄せて)
日本では年末になると必ず演奏される第9番だが、そのルーツは、1918年にドイツ・ライプツィヒでアルトゥール・ニキシュという指揮者が、大晦日に演奏したのが最初といわれている。交響曲としては初の歌のソリスト4人と合唱入りの第4楽章が聴き所。第4楽章冒頭には、第1楽章、第2楽章、第3楽章とそれまで演奏されてきたメロディーが再び現れ、これらを音楽で否定していき、「歓喜の歌」が初めて流れるという劇的な効果をねらっている。バリトン歌手が、「このような音楽ではなくもっと心地よい『歓喜の歌』を歌おうではないか」と、観客に問いかける。歌のソリストは録音当時一番気心の知れたベルリン国立歌劇場座付きのメンバーが担当、ベルリン国立歌劇場合唱団の歌声は、深みがあり、しかも、きびきびと小気味よく、フンクハウスの録音会場いっぱいに歌声が響き渡って心地よい。噛めば噛むほど、感動が胸に迫ってくる。
第9番のソリスト
ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)、ローズマリー・ラング(メゾ・ソプラノ)ロバート・ギャンビル(テノール)、ルネ・パーペ(バス)
合唱:ベルリン国立歌劇場合唱団
録音時期:1999年5月~7月
ベルリン・フンクハウス・ナレーバシュトラーセ・スタジオでデジタル・セッション録音。
文:野村和寿
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Beethoven : The Symphonies
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雑誌編集者を長くつとめ、1975年にカール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団日本公演のブラームス交響曲第1番の最終楽章で、鳥肌が立ち、帰り道をさまよった経験を持つ。爾来、クラシックを生涯の友として過ごしてきた。編集者時代、クラシック以外のロックやジャズといったジャンルのアーティストと交流を深めるうちに、クラシックと、楽しさにおいて何も変わらないことに確信を持つ。以来、ジャンルを取り払ってハイレゾまで、未知なる音の発見の喜びを日々捜している。MQAを提唱しているイギリス・メリディアンには1991年以来2回オーディオ雑誌の取材で訪れ、基本コンセプトに魅せられた。またカメラ好きでもあり、特にドイツの光学製品に魅せられ、ライカのカメラ群とそのレンズの蒐集に執念を燃やしている。
『スーベニール(思い出)パート1』 トロンハイム・ソロイスツ
ベートーヴェン 交響曲全集
ダニエル・バレンボイム指揮
ベルリン・シュターツカペレ
ブラームス交響曲全集
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フルトヴェングラーの「第九」
ベートーヴェン:交響曲第九番 作品125「合唱」フルトヴェングラー指揮 バイロイト祝祭管弦楽団
ヴェルディ:歌劇『リゴレット』全曲 マリア・カラス他
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カラヤン!カラヤン!カラヤン!
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マーラー交響曲第5番
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モーツァルト・アリア集~ウェーバー三姉妹
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